駒ヶ根市民俗資料館は、市内に残る唯一の学校木造校舎として平成8年に駒ヶ根市の有形文化財に指定されました。既に取り壊された建物西側部分は明治42年に建築され、現在残っている部分は大正2年に増築されたもので、ほとんど改造等は行われていません。このような建物は、伊那谷でも数少なく、昭和57年に市立博物館付属施設「駒ヶ根市民俗資料館」となりました。
平成3年に屋根の葺き替え、そして平成8年に内装・外装の修繕をし照明を備えた展示室として公開できるようになりました。資料は、昭和40年から小学校PTAを中心に地域の方のご協力で集められ、特に昭和46年度に中沢学校開校百年記念事業の一環として、PTA・公民館分館・高齢者クラブの協力を得て中沢地区全戸に呼びかけ民具を中心に郷土資料の収集を行いました。集められた資料は2000点にも及び、これだけの民俗資料を豊富に収蔵している例は上伊那でも見当たりません。また、中沢は伊那山脈の山麓に集落が点在し、山林への依存度も高く、こうした父祖の代の農山村生活を支えた民具が収蔵されており貴重であります。